最近音大や高校の音楽のコースへの受験に向けたソルフェージュのレッスンが増えています。
受験の合格の実績が教室としても増えて、選んでもらう機会が増えたのもあると思います。
元々、音楽の基礎として皆が勉強すべきものではあるので、普段のレッスンにも少しずつは取り入れていますが、なかなか時間が取れない部分でもあります。本格的に勉強するのは受験対策になってしまうのは心苦しいところではありますが。
ただ知識を深めることで音楽も深めていく良い機会です。
教室で使っているテキストを紹介します。
ソルフェージュと一言に言いますが、内容は「楽典、新曲視唱、聴音、(和声)」となっています。それぞれの学校の試験内容に合わせて組み合わせを変えます。そしてその子に合った進度、テキストで進めていっています。
まずは楽典について。5冊。
1、基本のテキストは定番の黄色い楽典の本(右の本)。基本として勉強するべきところを網羅しています。とりあえずはこれを。少し足りない時もありますが。
2、もう少し簡単なものが良い場合は、小学生・中学生向きのものを。問題集形式になっていて子供でもとっつきやすいかと思います。
3、そしてもう少し詳しくする時はこの本を使っています。まずは左の白い本。
これには「数字付きバス」が出てきます。数字付きバスというのはバロック時代に使われていた作曲法(記譜法)でヨーロッパでは今も市民権を得ています。ウィーンの学校でもその授業があり、数字付きバスを見て和音とメロディーを演奏するということをしました。
それが日本ではあまり使われていない(馴染みがなかった?)ということで主にそれを取り入れています。それと移調の際に音部記号を変えるという簡単な方法が紹介され、それとタイトルに「和声へ」とある様に楽典の知識をもとに次の和声学習にスムーズに入っていけるように少し触れられています。
総じてちょっと新しい視点を取り入れようという本です。
4、右の本は上記の黄色い本を少し深掘りしたもの。なんでそうなっているの?とかなんでそんな呼び名なの?という様な疑問の答えが書いてあったりします。最初からこれを使っても良いと思います。
5、画像の真ん中にあるのはウィーン時代に少し使っていたもの。日本のテキストの様にに親切丁寧には書かれていませんが、ドイツ語なので、音楽ではドイツ語が多く使われていることからも色々と参考になります。たまに使います。
6、そして幾つかの問題集。今まで勉強したことの確認と応用まで入っています。
7、その他にそれぞれの学校の過去問。学校ごとに特色があるのでそれを分かると意外に簡単に解けることも多いです。
こんな風にそれぞれのレベル、目的に合わせてピッタリと合ったものを選ぶようにしています。
学校の勉強と比べると簡単かな?とも思いますが、生徒に聞いてみると全然簡単ではなくて十分難しい、と言われます。
勉強すればするほど音楽家が考えて曲を作っていることがわかってきて、演奏する音楽も深まっていきます。