ピアノ弾く上で力を抜く事はとても大事。
ただ一言でそのように言ってもそれが1番難しいとも言えます。
先日、大学生のレッスンをしていてとても頑張って弾いているので、「そんなに頑張って弾かないで」と伝えるのですがなかなかうまくいかず。
その時に弾いていた曲はラヴェルのオンディーヌ。高度なテクニックが必要な曲です。しかも柔らかな雰囲気です。力が入っていては弾けません。
うまく伝わらないときには様々な方向から自分も考えながら言葉を選んでいきます。
手首の力を抜いて、腕も楽に、肘の力も抜いて、肩もリラックスさせて、など。
座っている姿勢からタッチした後の動きなども見ながら観察していきます。
レッスン中は本当にいろいろと考えながら話しているので、終わった後全て覚えていませんが、今度レッスンを動画に撮ってみると面白いかなと思っています。
子供の場合はピアノの打鍵に必要な筋力がまだなかったりするので、完全に力を抜いてと言うのは実際に難しいと思っていますが、大人の場合はただ指を下ろせば、鍵盤は下に下がります。
ピアノはとても機械的にできている楽器です。とはいっても音楽を作るわけなので音楽自体は機械的では無いので、そこのバランスを取るのがとても難しい。
音楽を抜きにして考えれば、楽譜に書いてある音の上に指を持っていってただ置けば(下ろせば)良いだけです。
力は本当にあまりいらないんです。
試行錯誤した結果、分かったと言う瞬間が来ました!
その時に生徒が言った言葉がタイトルです。
「これじゃピアノ弾いてないです…」
今までの弾いていた方法と比べると、何もしていないと感じるとのことなので、でもそれで良いと伝えます。
その弾き方になると出来なかったところも弾けるようになりました。
「簡単ですね…」
「そう、簡単でしょ。それに簡単な方が良いでしょ」
こんな感じで大きな発見があるとレッスンの時間がとても有意義なものになります。
ピアノは弾かない。