コンチェルトのレッスン

最近、レッスンにコンチェルト(ピアノ協奏曲)を取り入れています。今は小学生ではモーツァルト、中学生ではベートーヴェンやチャイコフスキーなどを弾いている生徒がいます。

コンチェルトを勉強するメリットとしては、1、いろんな音色を実際に聞いてイメージできること。2、こちらももう一台のピアノで一緒に弾くので、リズム感や音楽的なことを伝えやすいこと。3、他の音を聴きながら演奏するという、アンサンブルの練習になること。でしょう。

音色をイメージしてというのは、楽譜を見ながら録音を聴いた時にどの音やメロディーが、何の楽器で演奏されているのか読み取ることから始まります。そもそもオーケストラにある楽器の音色を個々に初めから分かるような人はあまりいません。聞いていくうちに、このメロディーがこの部分に出てくると、ホルンの音が合いそうだね、などと雰囲気をつかめるようになります。作曲者が作る時には、そのイメージを持って作っているので、音色の雰囲気を掴むことでより曲の理解が進みます。

リズムに関しては、拍の感じ方の鋭さ、柔らかさから、音楽の揺れ動きまで、とても重要なところです。ソロの場合でも一緒に弾くことはできますが、コンチェルトは合奏用に作られているので、よりフィットするように作られています。

アンサンブルは、他の楽器との合奏。ピアノは一人で弾くことが多いですが、実際に使われるところは伴奏の機会が多いです。合唱の伴奏は身近にありますし、ヴァイオリン、フルート、チェロなど、どの楽器でもピアノの伴奏が必要になってきます。その時に大事になってくるのが「相手の音を聴くこと」。これは意外と難しく、一人で弾くことでいっぱいいっぱいだと、聴く余裕がありません。コンチェルトの場合はソロの扱いですが、他の音を聴くという意味ではどんな合奏とも同じです。

ヴァイオリンなどは小さな内から教則本にもコンチェルトというのは良く出てきますが、ピアノは一人で完結して音楽を作れてしまうこともあり、普通にレッスンをしているだけでは合奏の経験をすることはあまりありません。

連弾は一番手軽なアンサンブルですが、すこし範囲を広げてピアノらしい華やかさのあるコンチェルトは、ある程度弾けるようになってきたらとても勉強になるし楽しい経験になります。

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