ある研究では、ピアノのレッスンを長期間受けるとIQが上がるという結果があるそうです。
思い返してみれば、大学に通っていた時にも、授業で「音楽を学ぶことでIQが上がるのか？それともIQが高い子が音楽の能力が高いのか」という題を与えられて学生たちで議論するということがありました。この授業はウイーン国立音大の音楽教育科の授業で、実技が多い演奏科と比べると、なかなか面白いことをするんだなと感じた記憶があります。
IQが高い＝学校の勉強ができる、と繋がるかのは自信がありませんが、ピアノに限って言えば、上手に演奏する子は、学校の勉強も得意な傾向があります。一度に多くの音符を読み、右手と左手に加えて、ペダルのために足まで動かして・・ということを小さい頃から続けていれば、確かに学校の勉強の方が簡単に見えるのかもしれないとも思います。
最近、中学生になった生徒は技術的にもかなり進んできて、レッスンでは音楽的な内容に触れている時間の割合がとても多くなってきました。「ここからが音楽が面白いよ！」と話しています。本人も、音楽の表現の幅を感じることができている様で、嬉しく思っています。そんなことを言いながら、「確かに、中学の学校の勉強よりも大分難しいし、深いな」と改めて感じました。
実際、上記の授業の題は、答えを出すというよりも学生たちに考えさせようという趣旨だったと思います。ただ、そういう考えがあるのは事実ですし、その考えの土壌の基には「小さい頃からの継続したピアノのレッスンは必ず子どもの発達に影響を与えるはず」と考える人が多いことを表しています。勉強、勉強と言われる世の中ですが、みんなどこかで音楽のもつ力や価値を感じているのだと思います。
