夏にはピアノやフルートの子どものためのコンクールが沢山行われます。ヴィエナの生徒たちも参加しておかげさまで沢山の賞をいただいています。
自分自身はウィーンで勉強してきたせいか、レッスンでもどう音楽をするか、細かな音のニュアンスをだすか、芸術的?に創り出すかということをずっとしてきました。そしてそれを追及するのが面白いことだと思っています。そういうスタイルの考え方をする先生に教わってきたということもあります。
あるとき、事情があって先生を変わることになりました。その方はレッスンのときいつも「もっと大きな音で大きく表現して」でした。私からすると、そんなにしたらただ弾いてるだけになってしまい、表現も何もあったものではないと心で思いながらのレッスンでしたので、面白いものではありませんでした。
その後も様々な方に教わる機会がありました。私から見ると、大きく分けて芸術家タイプと、大きくしっかり弾くタイプの方がいました。コンクールで(特に短い演奏時間で)成績をだすのはほぼ、後者です。芸術家肌な先生はそもそもコンクール自体を勧めませんでした。
そして、自分が教える立場になったとき、どうしたらよいのか考えます。
ピアノを小さなころからする目的は、教室のコンセプト「音楽を一生の友達に!」だと思っています。音楽の楽しさ、演奏する喜びを体験して欲しいと願っています。そのためには家で練習しないといけませんよね。
他にも楽しいことがいろいろあるのにその中でピアノの練習をするのにはやっぱりモチベーションが必要。コンクールなど、発表する場はそのやる気を引き出すきっかけになります。
ということで、今のところの結論は両方のバランスをとりながら・・ということです。普段は美しい音楽を求めて、コンクールはそうと割り切って、と思っています。
tadashi