おとなの発表会のこと

6月2日(日)の午後、一年に一度のヴィエナおとなのピアノ・フルート発表会が終わりました。前橋市民文化会館小ホール、70名の参加でした。その様子を書いてみました。

●半年前
発表会の曲が1人2分45秒までと決定。さっそく準備にはいった方も。発表会に初参加、ビアノやフルートも始めたばかりという方も10人。

●リハーサル
発表会1週間前の5月27日(月)に全日、1人10数分、当日と100%同じ状態を作りリハーサル。照明の明るさやピアノの位置等々。「ああ、リハーサルなのにこんなにドキドキして、当日どうなるのかしら!」と言う声も…

●発表会の日の朝
8時40分に私は会場到着。事前打ち合わせは別の日に済ませてあったのですが、実際当日になると、「何時からキーボードのリハーサルが入るので、そのときマイクの調整をしていただき、そこで写真も撮るので、照明は今は70%だけど、そのときだけ100%にしてください」等々、担当の技師の方々とこまかなことがたくさん。
花屋さんが何時、司会者が到着したらこの原稿(名前のふりがな付きなど)を渡して、友情出演の方4人が見えたら5分ずつリハーサルしていただき、弾き語りの方のマイクテストも…と裏方も分刻み。
11時40分の全員集合の写真撮影までが、あっという間にすぎました。
駐車場の一部詰め込みのこともあり、2階小ホールと駐車場の間を10往復以上し、午後の開始時には、力を使い果たし、なんか始まっ途端に「よし、これで終了」と山の頂上にたどり着いた気分になってしまいました。始まる前に気が抜けてどうする(笑)

●開始直前
今回から写真屋さんに集合写真や個人個人のステージ写真を撮っていただくことにしました。集合写真は本当は70人一緒がよかったのですが、それでは1人1人の顔が小さくなりすぎるので、2班に分けて撮影。さすが、おとなは子どもの発表会と違い、さっと並んで静かにあっという間に撮影完了。個人のステージ写真はこちらが考えていたより、希望者が多かった。確かにステージで弾いているところの写真など、ベストショットは個人ではなかなか撮れませんものね。

●発表会
1人1人のドキドキが伝わってきました。でも会場は温かい応援の気持ちであふれていて、とても良い雰囲気。フルート独奏の人数も増えて、ピアノ弾き語りや、他クラブからの友情出演、キーボードアンサンブルは会場を包む音の響きで、すごく感動したという声も多かったです。4人の講師もそれぞれ演奏、と盛りだくさんで飽きない演奏会になりました。
今回、曲名申込時に「必ず1人2分45秒以内の曲。」と厳守したため、何とか4時半に終了。片付けも済ませて、5時には出ないとタイムアウトなんです。もし制限時間があと30秒ずつ長かったらアウトでした。曲を一部カットした編曲で演奏してくれた人も多く、お互いの協力のもと、とてもスムーズで楽しめる発表会となりました。
これだけ人数が多くなると、テレビ局の秒読みほどではないですが、事前の進行の時間設定は本当に重要な問題になってきます。当日「どうしよう、終わらない!」などとドキドキしないで余裕をもったニコニコとした時間を共有するためにも、このような細かな裏方はとても大切。私はいつも「進行をきちんと設定することによって、ゆったりと気持ちよく進む」と思っています。

●懇親会の様子
16時半から18時過ぎまで、60人で、市民文化会館の2階のレストランを借り切って懇親会。今回とてもうれしかったのは、誰も知り合いのいない個人レッスンの方が何人も積極的に懇親会に申し込んでくれたことです。
発表会の申込書は2段書きになっています。①発表会申し込み ②懇親会申し込み。
いままで個人レッスンの人は、「発表会は参加するけど、懇親会は出ないで帰ります」が多かったのですが、今年は特に誘わなくても、自然に参加に丸がついている人が多かったのです。そして、結構、初対面の人同士で盛り上がっていました!個人レッスンって、ちょっと孤独です。みんなはどのように練習しているのかな?きょうの発表会の感想は?等々、発表会から自宅に直行ではないものを求めた方も多かったのですね。

話が弾んでいて、お料理が残ってしまったのは残念。また、食事前の挨拶が長かったので食べる時間が短かったことも原因の一つです。でも誰か1人が長くしゃべったのではないんですよ。5つのピアノクラブからそれそれクラブ紹介、フルート個人レッスンから1人、ピアノ個人レッスンから1人、3つのキーボードのクラブから、4つの友情出演の方から、といろいろな方が代表で、1.2分ずつ話しただけ。みんな演奏が無事終わったあとの開放感から、にこにこと笑いも交えて、これがまた楽しかったのです。「どうぞ、うちのクラブに入ってください。」という勧誘も多かったのですが、もうヴィエナに入会している人同士がお互い勧誘し合ってどうする?…ところが、ピアノの人を、キーボードクラブの人が「こちらも入って!」と勧誘成功!などもあったらしい。

●終了直後のこと
みなさん解散し、私は会計を済ませ、講師4人は、駐車場に。正せんせいと、友美せんせいの2人は一台の車でヴィエナに向かいました。キーボード8台や譜面台等をギューギューに積み込んで。「じゃあね、一足先にいくね!」と。私は真木子せんせいを前橋駅まで送って、ヴィエナに行くことに。ところがエンジンがかからない…。あっ、懇親会の始まる前に2人に「私、懇親会の司会を進めているよ。私の車の鍵渡すから、荷物を車に積んじゃってね」と鍵渡した!それをまだ返してもらっていない!真木子せんせいには、前橋駅まで歩いてかえってね、ということになり、私は急いで2人に携帯したのだけど、あいにくまだマナーモードにしてあるらしく、通じない。あきらめて車に30分くらいいたら、やっとかかってきて、「今からかぎ持っていくよ。」結局1時間近く、市民文化会館の暗い駐車場の車の中で1人、発表会の余韻を強制的に(?)楽しむ時間を持つことになりました。けっこう、良い時間でしたよ。ふつうこんな時間は持てないですものね。それに場所が会館の駐車場だから余韻を楽しむにはぴったりでした。

●終了数日後のこと
みんなの感想がいろいろ入ってきます。あがって真っ白で何を弾いたのか覚えていない、という方が結構多かったです。たまには、「まあまあ弾けました」という方も。「間違っちゃった」と気にしている方も多いですが、その方がおっしゃるほど、聞いているほうとしては気にならない。とても素敵に弾いていらしたKさんに「とても綺麗に弾けましたね」と言ったら、Kさんいわく「以前は、そんなふうに言われても、信じようとしなかったけど、年も重ねたので、いまは素直に、ありがとうございますと思い、その言葉を信じることにします。」と笑いながらの返事。さわやかな笑顔が素敵でした。

kumiko

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