練習のしかた

自宅での練習のしかたについて話します。

1.時間について

毎日少しずつ練習するのが良いのか、それともまとめて長い時間するのがよいのか? この質問は本当に良くいただきますが、答えは出ません。
でも、1つ確実に言えることは

●子どもは毎日定期的にするのが良い

ということです。子どもは学校にも毎日行っています。ピアノも「習慣化」することのほうが、かえって精神的負担も少ないと思います。きょうは練習しようかな?とかいちいち考えるのはかえってストレスになります。教室でも宿題を出して、それを一週間かかって仕上げるように指導しています。

ピアノの宿題の量は、子どもの生活をイメージして決めます。習い事はピアノだけではない子も多いでしょう。1年を通じて子どもが容量オーバーにならないよう設定します。 また、子どもが毎日練習出来る大きな理由として、親御さんにハッパをかけられるということがあります(笑) これで、たとえ仕方なくでも続きます。

では、おとなの場合はどうでしょうか。

私はいまだに答えがわかりません。絶対確かなことは、毎日たくさん練習することです(笑)本当に上達しますよ。しかし、いま問題にしているのは、そのような理想的な話ではなくたとえば、週に4時間練習する場合、「毎日30分、日曜だけ1時間」が良いか、火曜、木曜に1時間、日曜に2時間が良いか?
というような話です。これは、もちろん仕事の残業の都合や、家事の都合等、諸々でどちらかに決めたから実行できるとも限りませんが、一応話の上でのことです。

私は、どちらでも良いような気がします。あまり「毎日」にこだわるよりも、練習するときは集中して行うことが何より大切です。フルタイムの仕事の方で、土日だけで4時間という方もいらっしゃいますが、着実に進歩しています。

1つ確実に言えることは、このくらいは練習しないと上達しません。初歩のうちは曲も短いですから、毎日10分程度でも、上達していく自分を実感出来るでしょうが、少し長い曲になってきた場合、10分では1,2回弾いたら終わってしまいます。

そして、上記のどのようなタイプの練習の方にもいえることですが、「プラス隙間時間」を活用できるとそれが貯金となります。「今、3分空いているから、あの難しい1小節だけやっておこう」など。

2.内容について

これは、今もう話してしまいましたが、「集中する」ということに尽きます。

先日、面白いことがありました。小2の女の子。上手なのですが、よく間違えます。

「最後まで間違えないで弾いてね。」というと、間違いが激減します。でもまた…。そんなことが、ずっと続いていました。堂々めぐりなので、一度レッスン時間のあいだじゅう、「なぜ、車の運転はみなぶつけないのか。ぶつけると痛いので集中して運転するからだ」とか、あれこれあれこれ言い続けました。また「まずは2段、絶対間違えないで弾いてね。今は心配なところは速度を遅くしてもいいから。車も水たまりのところはゆっくり走るでしょ」等々で実践。最後に楽譜に「間違えないで弾いてくる」と大きく書きました。

そしてレッスン日。3曲をまるで発表会のように綺麗に弾きました。拍手喝采でした。何かこの一週間で、集中することの喜びみたいなものをつかんだようです。本人も自信を持って弾きました。キリッとした顔つきで弾いていました。

このような練習をすると、短時間でも上達します。子どももおとなも、忙しい時間の中、何とか効率の良い方法で、ある程度の時間を見つけて上達したいですね。

上達していく自分が感じられると、面白さが増し、疲れていてもピアノに向かえたりと、練習時間の見つけ方も楽になります。隙間時間の見つけ方も上手になります。教室に来て、前の子のレッスンが終わるまでの2分間ほどを、ドラえもんのマンガのところに飛んでいって、本当に集中して読んでいる子をみて…ピアノのときもお願いねー!

kumiko

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