アート探求2 現代アート

前回に続きのアート考察。今回は現代アートのみを体感しに行きました。ワールドクラスルーム、森美術館の企画展です。

現代アートって言いたいことはわかるけどそれはアートなのか?という話が前回でしたがそれを追求するべく。

このプログラムは国語算数理科社会と、学校の科目ごとに関連する作品を整理して見せるという面白いアイディアで作られていました。

まずは国語。ここの説明にもある「アイディアやコンセプトこそが作品において最も重要である」ということがconceptual artと呼ばれて、これがある意味個人的には一番今引っかかるところです。最もというところが。

次に書いてある様にこの国語ゾーンの最初の作品は「1つと3つのシャベル」。壁にシャベルの写真、実物のシャベル、シャベルの概念(辞書のシャベルの項目の文字)が並べてかけられています。これの意味するところは「それぞれの関係性を問い、人々の固定概念に挑む」ということのようです。

簡単に言えば「シャベルって本当は何なの?」ということを見ている人に想起させる、問題提起するということでしょう。例えば音楽でも有名なケージの4分33秒というパフォーマンスがあります。その時間ピアノの前に座って客席のザワザワや環境音が音楽を作り出すという考えの作品?です。

このコンセプトが最も大切という考えのもとに作り出されたアート作品はそれ以後とても多いように思います。作品自体の価値とコンセプトの価値の比重のバランスはどちらかに寄っていたりしますが多かれ少なかれどれもがその路線に感じます。

確かに言いたいことがなければ何かを(で)表現してそれを伝える必要もないわけですしそこに芸術の本質があるというのは分かりますが、言いたいこと自体が最大の価値を持った場合、よほど明らかに表現しない場合(そして大抵はそれほど明らかではない)説明がなければほぼその最も大切なメッセージも伝わらないことになってしまいます。そもそも作品自体はありふれているものの組み合わせだったりもするので。

そんな中で綺麗に思ったのはこちらのテーブルの模様を編んだ布の展示。コンセプトは「西洋的な生活スタイルを象徴するテーブルをアジアの伝統的な織物にデザインすることでそのことの歴史的社会的な意味を問う」ということです。

やはりここには技術が使われているというところが自分にとってはしっくりくるポイントなのかもと感じます。実際美しいですし。イー・イランの作品。

こちらは有名な奈良美智さんのドローイング。これは哲学のゾーンの作品として展示されていました。解説が以下。確かに哲学という本質を探究する意識とアートは親和性がありそうです。

まだまだありました。アートって何という結論は中々難しいものですが大分自分の感じるアートの方向性は固まってきた気がします。

ピアノでアートセンスを育む。もっとそのセンスの本質に迫っていく事で道筋が見えてくると思います。

続く。

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